最終回が終わって一ヶ月近く経ちましたが、なんとなく総括をしたいと思います。ネタバレ全開です。
まず最初に。
輪るピングドラムは、自分がこれまで見てきたアニメの中で最高の作品です。これほどまでに美しく、そしてシリアスに、人が生きるということに向き合った作品にはなかなか巡り合えません。映像美も、音楽も、ストーリーも、すべてが素晴らしかったです。
まあ細かい考察などはもうさんざんされてるでしょうから省略することにして、ここでは内田樹の『呪いの時代』というエッセイを紹介しようと思います。
「呪い」と「祝福」という対立構造を軸に論が展開されている興味深い本なのですが、ピンドラに近い部分があり、物語の骨組みをシンプルな形で捉える手助けになるのではないかと思ったので。
「呪いを解除する祝福は、贈与によって行われる」
これはまさに作中で語られていることではないかと思います。
サネトシが「呪いのメタファー」なら、桃香は「祝福のメタファー」。そして「愛してる」という連鎖する肯定を贈与することが必要、みたいな。
しかしサネトシ先生は良いキャラだった。声も素敵だし決め台詞もあるし。
「彼に対する救いがない」という意見には反対で、そもそも本質的に消えることができない存在なんだと思う。表裏一体の影のような存在だから。(最後に裏側に行っちゃった黒テディと一緒)
「列車は、また来るさ」っていうセリフもその通りでしょう。
本当に考えれば考えるほど細かく作りこまれていて、いったいどこまでが意図されたものなのか疑心暗鬼になるほど。自分自身が忘れていた、もしくは見ようとしなかった何かの存在に対する気付きを与えてくれたというだけでもこの作品に出会えてよかったと思う。
最後に、ニコ生のピンドラ評論会が面白かったんで覚えてることをメモっておきます。男4人で一つのアニメについて熱く語っている光景はなんかシュールだった。
・絆、絆と言われているが、だからといってアナログに回帰したくなかった。そんな時にピンドラは新しい形のつながりを示してくれた
・前半?では印象的な単語(「生存戦略」「いやだわ、早くすりつぶさないと」など)が多く、後半は小説的。食いつきやすい餌で釣っておいて、お前ら逃げらんねえからな!みたいな。その手法自体が今のアニメに対する強烈なカウンター
・カエルからペンギン。オリジナルな形の家族の先。村上春樹の先
・ピングループなどのペンギンマーク→オウムの間抜けさ、不気味さをよくコピーできている。
※ピングループ≠オウム
・ただの架空の物語ではなく、すべてが現実世界と地続きになっている。すべてがメタファーだから、謎はむしろない
・9話の図書館→検索のイメージ。(そして、データ=過去に頼っているだけではダメ)
・システマチックな電車、スマートフォン→現実に対する希薄な距離感
・皇帝ペンギンは「呪われた種族」
・サネトシは自分で自分の首を絞めた。(ひまりのマフラーを届けてあげる→ダブルHお返しに来る→りんご呪文を知る)
・宇野「けいおん!は何者にもなれなかったけど、だから何?というパワーがある」
※けいおん!は何者にもなれなかった人たちの話じゃないと思うんだけど…というかそもそも関係ないような…けいおん厨おつ
まず最初に。
輪るピングドラムは、自分がこれまで見てきたアニメの中で最高の作品です。これほどまでに美しく、そしてシリアスに、人が生きるということに向き合った作品にはなかなか巡り合えません。映像美も、音楽も、ストーリーも、すべてが素晴らしかったです。
まあ細かい考察などはもうさんざんされてるでしょうから省略することにして、ここでは内田樹の『呪いの時代』というエッセイを紹介しようと思います。
「呪い」と「祝福」という対立構造を軸に論が展開されている興味深い本なのですが、ピンドラに近い部分があり、物語の骨組みをシンプルな形で捉える手助けになるのではないかと思ったので。
「呪いを解除する祝福は、贈与によって行われる」
これはまさに作中で語られていることではないかと思います。
サネトシが「呪いのメタファー」なら、桃香は「祝福のメタファー」。そして「愛してる」という連鎖する肯定を贈与することが必要、みたいな。
しかしサネトシ先生は良いキャラだった。声も素敵だし決め台詞もあるし。
「彼に対する救いがない」という意見には反対で、そもそも本質的に消えることができない存在なんだと思う。表裏一体の影のような存在だから。(最後に裏側に行っちゃった黒テディと一緒)
「列車は、また来るさ」っていうセリフもその通りでしょう。
本当に考えれば考えるほど細かく作りこまれていて、いったいどこまでが意図されたものなのか疑心暗鬼になるほど。自分自身が忘れていた、もしくは見ようとしなかった何かの存在に対する気付きを与えてくれたというだけでもこの作品に出会えてよかったと思う。
最後に、ニコ生のピンドラ評論会が面白かったんで覚えてることをメモっておきます。男4人で一つのアニメについて熱く語っている光景はなんかシュールだった。
・絆、絆と言われているが、だからといってアナログに回帰したくなかった。そんな時にピンドラは新しい形のつながりを示してくれた
・前半?では印象的な単語(「生存戦略」「いやだわ、早くすりつぶさないと」など)が多く、後半は小説的。食いつきやすい餌で釣っておいて、お前ら逃げらんねえからな!みたいな。その手法自体が今のアニメに対する強烈なカウンター
・カエルからペンギン。オリジナルな形の家族の先。村上春樹の先
・ピングループなどのペンギンマーク→オウムの間抜けさ、不気味さをよくコピーできている。
※ピングループ≠オウム
・ただの架空の物語ではなく、すべてが現実世界と地続きになっている。すべてがメタファーだから、謎はむしろない
・9話の図書館→検索のイメージ。(そして、データ=過去に頼っているだけではダメ)
・システマチックな電車、スマートフォン→現実に対する希薄な距離感
・皇帝ペンギンは「呪われた種族」
・サネトシは自分で自分の首を絞めた。(ひまりのマフラーを届けてあげる→ダブルHお返しに来る→りんご呪文を知る)
・宇野「けいおん!は何者にもなれなかったけど、だから何?というパワーがある」
※けいおん!は何者にもなれなかった人たちの話じゃないと思うんだけど…というかそもそも関係ないような…けいおん厨おつ
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